帝国

帝国 / Empire

格差をつけて支配領域を拡大する政治体


1900年頃の帝国世界
1900年頃の帝国世界

概要


帝国とは、その支配領域が広大であり、また支配圏が拡大傾向にある政治体である。


帝国は、その領域内に民族的・文化的に多様な人びとを含み、たがいに平等な関係ではない。帝国の中心に位置する部分はほかの部分に対して支配的な立場に立つ。こうした中心と周縁の存在と、その間の支配と被支配関係が帝国の基本構造である。


代表的な帝国は、ローマ帝国、モンゴル帝国、オスマン帝国であり、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパ諸国、アメリカ、日本も帝国化し、ヨーロッパとアメリカ大陸以外のほとんどが帝国によって領土化され分割されていった。この帝国による世界分割の時代「帝国世界」「帝国主義」と呼ぶ。


日本は、江戸時代末期に外交文書に使用され始め、1889年に大日本帝国憲法を発布。1894年の日清戦争で勝利をおさめ、台湾の植民地統治を始めたころに帝国化が本格的に進む。


1900年に中国で生じた義和団事変の鎮圧に際して、欧米の7カ国に加わって軍隊派遣を行なった際にイギリスの新聞『ザ・タイムズ』から帝国とみなされるようになった。


その後、日露戦争に勝利して南樺太を領有し、朝鮮を保護国化し、10年に併合して完全な帝国となった。

1942年頃の大日本帝国
1942年頃の大日本帝国

帝国意識


帝国には、支配・被支配関係の存在を当然とする心性がある。それは支配する側においてとくに強く、帝国意識という。帝国意識の高い人たちは「文明・野蛮」「進歩・停滞」「成熟・幼稚」といった言葉をよく使い、文明の高みに立っている進んだ人間が、遅れた人間を支配して啓蒙していくことを不思議と思わない。