ジャック・アタリ「危機とサバイバル」4

第四原則「レジリエンス」


レジリエンスは日本語に訳すと、抵抗力・復元力・耐久力だ。精神・道徳・肉体・物質・財政の面で耐え忍ぶ覚悟が必要である。


落胆、職業上の失敗、愛情の破局に打ちひしがれることなく、耐え忍ぶことである。支援、味方、親愛なる者、資金提供者、雇用、顧客、受け入れ国、喜びの源の喪失に屈してはならない。大災害・解雇・危機に対処するために自分の備えを固める必要がある。これらすべての出来事は、危機や変動の渦中に起こる可能性が極めて高いからである。


このようなショックの基本的な対処法は1つだけに依存しないようにすること。たとえば、ビジネスパーソンであると同時に起業家、雇われる身であると同時に雇用主、製造業と同時にサービス業、芸術家であるのと同時に公務員、という術を学ぶことである。


金銭面では、返済能力を超えた借り入れをしないこと、貯蓄に励むこと、預金は慎重に運用すること、度が過ぎた贅沢におぼれないことである。


注意すべきは、「レジリエンス」によって現状維持が目的になってはならない。まったく逆である。リスク、新しい事にチャレンジするための準備なのだ。たとえば、貯蓄して老後も年金で現状維持の生活を計画するのではなく、貯蓄しておいて職を失ったときに新しい仕事をするための資金に使うということである。