ジャック・アタリ「危機とサバイバル」3

第三原則「共感力」


味方を最大化させる「合理的利他主義」を持つために、「共感力」を養え。


「共感力」とは簡単にいえば、相手を調べて理解する能力である。「共感力」は「監視」や「情報」という名称で置き換えることもできる。他者の行動を予測する能力を身につけることである。


他者の調べることができるようになると、他者の立場に立つことができる。他者の立場に立つことができれば、他者が何を期待しているのか、または何を嫌っているのかが分かり、未来における他者の行動がつかみやすくなる。また、他者に対してどういうふるまいをすればよいのかも分かり、味方につけやすくもなる。これが「共感力」である。共感力を身に付ければ、相手の陰謀をかわすことができ、また仲間には利益を与えることができる。逆に「共感力」がなければ、仲間に利益を与えることもできずお世話になるばかりで、さらに敵に思うように操られることになる。


では、どうしたら「共感力」を得られるのか。それはには特別な資質を磨かなければならない。


他者の使う言葉を利用できること、異なる文化が発信するメッセージを解読できること、さまざまな文化的影響や経験を受け入れること、さまざまな文化の源からインスピレーションを得て、それらのあいだに相乗効果を見出すことなどである。


相手の性格を見抜き、その行動を予測するための最も効率のよいテクニックの1つは、その人物の表情のなかに、子どもの頃の面影を探ることである。その人物の表情に子どもの頃の面影が残っている場合には、一般的にその人物は、新鮮さと剛毅を保っており、その人物とは仲良くなれる。そうでない場合、その人物は、子どもの頃の夢の否定の上に自らを築いたのであり、その人物は常に争いや対立のなかで暮らし、自己に対する尊厳を失っていると言える。そのような人物は、気難しく、辛辣で、手段を選ばない不誠実な人物である。


●重要なこと

・敵にしろ味方にしろ、彼らの文化・論証形式・存在意義を理解すること。

・起こりうるすべての脅威の正体を突き止め、味方と潜在的敵対者を区別するために、彼らの行動様式をくわしく調べること。

・他者に対して常に友好的にふるまうこと。

・「合理的利他主義」を実践すること。

・恥辱や怒りの感情を出さないこと。